内部統制とは

不正が起きない・起こさせない会社運営に内部統制構築は重要

内部統制とは、会社組織が事業活動を健全に続けるためのシステムを指します。


社内の従業員すべてが守るべきルールを的確に理解し、適正な業務を継続するためのプロセスを整備し、運用していくことを内部統制構築というのです。


不正が出来ない、不正をはびこらせない会社運営のために、いま内部統制システムをプロの目で再調査してみましょう。

各種専門知識が豊富な不正調査の専門家が、御社の内部統制構築をお手伝いができます。


内部統制には、4つの目的があります。


業務の有効性(効率性)

内部統制によってルールを制定することで、会社の目標を達成するための、業務の効率や有効実用性を高めることができます。

財務報告の信頼性

内部統制が正確に機能していれば、会社の財務報告の信頼性につながります。会計の情報が明確な会社は信用ができる会社として評価されます。

企業活動の法令遵守

内部統制構築によって、事業活動に関わる法令や規範が明確になります。会社としての法令順守は当たり前ですが、働いているひとりひとりのモラルも高まります。

資産の保全

会社にとっての資産とは、土地や建物、現金や商品などの他に、社員といった人材も含まれます。内部統制によって、そうした資産すべての管理がチェックできるようになりますので、不正を排除することにもつながります。


基本的には、いま企業内でほとんどの業務に、このような内部統制は組み込まれています。
しかし、不正がない会社を維持するために、今の世の中、見直すべきことが出てきているはずです。


専門知識が豊富で、さまざまなアドバイスができる不正調査のプロフェッショナルが、企業の内部統制構築を支援いたします。



内部統制システムがうまくいっている企業は、業務の無駄はなく、また社員一人一人がどんな働きをしているのかはっきりわかり、経営トップに情報がきちんと伝達されてきます。

1、内部統制システムは現在うまくいっていますか?

現在の内部統制がITに対応していない企業が多い

2004年5月の会社法によって、大会社および関連会社に内部統制は義務付けられました。
大企業だけではなく、その流れに合わせて制定した中小企業もあるでしょう。

そのため、急いで内部統制を作成し、理解が追い付いていない企業もあります。そして当時は、まだまだITが仕事に活用されていない時代です。 手書きの複写式伝票・報告書などが現役だった会社もあるでしょう。


いまだにそういった業務が主流だったときの内部統制システムを運用しているのであれは、現代の業務フローに照らし合わせることが難しい業務も出てきているのではないでしょうか。

時代遅れになってきている内部統制システムがあるのなら、この機会に見直してみましょう。


内部統制の構築を見直すなら今がおすすめ

大企業だけが会社法によって内部統制が義務付けられていますが、やはりどんな企業も内部統制構築が必要です。

内部統制の構築をすることで業務の効率化が狙えますので、働き方改革などに取り組むこともできるでしょう。
労働の生産性を上げつつ、今の社員達の生活や気持ち寄り添った企業運営が見込めます。


現場で働いている社員が「正しい業務フローが整っている」「業務を上役に管理され、正当に評価をされている」という満足感を持つことは、SNSやインターネットで会社の不満を呟かれるようなリスク、怪文書をばらまかれるというようなリスクも減り、さらに会社内の不正を防ぐことにつながります。


そして、優秀な人材の確保にも影響が現れますので、企業にとってはいいことずくめでしょう。
内部統制の構築・再構築はいまだからこそ行うべきプロジェクトです。

賢く内部統制を構築するには不正調査の専門家の力が必要

では、内部統制の構築に、社員で内部統制プロジェクトチームを作ろう、と考える企業が多いでしょう。それは、あながち間違いではありません。しかし、今現在、会社で持て余しているような社員をチームのメンバーに入れることはおすすめしません。


出来れば、社内の会計・経理業務のスペシャリストと、現場の業務それぞれのスペシャリスト、そしてITシステムに詳しい社員をチームメンバーにしてください。 そういった優秀な社員が適材適所として投入するのが賢い選択です。


そしてさらに外部のコンサルタント、アドバイザーの力は必要不可欠です。
特に後々の不正の芽をつぶすためにも、不正のプロの手を借りながら会社の統合的な枠組みやルールを構築しましょう。

2、社内不正の専門家と内部統制構築の関連性

内部統制の6つの基本要素

内部統制には目的の他に、6つの基本的要素が定義されています。


統制環境

統制環境とは、会社の雰囲気、社風、勤めている従業員の意識、それらを取り巻く環境などについてを表します。内部統制をすることは、こういった組織の気風を決定するものです。

リスクマネジメント

内部統制は会社を運営していくために、目的の達成の妨げになる可能性がある事柄(リスク)について、分析・対応をします。内部統制が適切に機能すれば、多種多様なリスクを阻止したり、最小限の損害で効果的に処理できるようになります。

統制活動

統制活動とは、経営トップの命令や指示が、適切に実施されるための仕組みです。
具体例としては、社内規定や業務フロー・マニュアルの作成が挙げられます。内部統制構築によって、経営者が社内を適切にコントロールし、管理できるようになります。


情報と伝達

余計な情報が蔓延してしまったら、業務を効率よく行うことは難しいでしょう。内部統制によってあらゆる情報のなかで必要なものを選別し、伝達をスムーズにすることができます。情報の共有と伝達が円滑な職場は、不正やハラスメントが起こりにくくなると言われています。

モニタリング

モニタリングとは、監視のことです。構築した内部統制システムがしっかりしたものであれば、正しく有効に運用されているかをチェックすることも容易です。監査も簡単に、そしてスムーズに行えます。


IT(情報技術)への対応

最後の要素は、今までの5つの要素をふまえつつ、内部統制と情報技術を対応することです。組織内外のITを活用する際には、システムに関する情報管理規定なども制定し、システムを構築することも求められます。

これら6つの基本要素は、前述した内部統制の4つの目的を達成するために、必要なものです。
今すでに内部統制がある場合に、引き続き活用していくのであれば、これら6つの基本要素を鑑みて、有効かどうか状況を判断していきましょう。

不正がある会社のほとんどが内部統制システム構築が不十分

不正がある会社、とはどんなものでしょうか。大きく分けると不正には3つの種類があります。


  • 社員が会社から現金や物を盗むような犯罪行為を行う
  • 取引先から社員が賄賂を受け取る
  • 公開するデータを改ざん・偽装する

どれも、すごく大袈裟に感じてしまいますが、


  • 私用で食事したレシートを用いて「取引先との会食で」と経理に申請した
  • 品物が高価すぎるお中元が個人的に贈られてきた
  • 検品してないけど、したということにした

ということなら、かなり身近なできことに感じるのではないでしょうか。

こうしたことが横行しているのが、不正がある会社という事になります。つまり不正の元は、身近にあるのです。
しかし、内部統制システム構築がしっかりと運用されていれば、こうした不正はおこりません。


内部統制システムに、これらを防ぐためのルールを盛り込めば良いのですが、しかし、社内の従業員だけではこういった不正ができないルール作りは難しいでしょう。不正の専門家だからこそ気がつき、アドバイスできることがあります。

実態に即した内部統制システムを短期間で構築できる

前述したように、内部統制システムを構築し制定するためには専門知識がある優秀な社員をチームメンバーにすることを推奨しています。

しかし、社内のメンバーで内部統制構築のベテラン・経験者という方は少ないはずです。
外部から、専門家のアドバイスを求めることで、内部統制システムを構築するための時間は大幅に短縮できるでしょう。

つまり、優秀な社員をプロジェクトに長時間拘束しなくて済むのです。

3.内部統制構築を進めるべき理由

内部統制構築を進めるべき理由、つまり内部統制をすることによって、企業にどのような利点があるのかを述べていきます。
今現在、内部統制の構築に迷っているトップの方はぜひ参考になさってください。

01.業務フローを整備し可視化することで社員を正しく評価が可能

例えば、ある業務を、A社員がXのやり方で行い、丸1日かかっている。
同じ業務を、B社員がZのやり方で行って1時間で終わっている。…ということがあるとします。

これは、上司も監督しにくい場合があります。

同じ業務なのにやり方が違うので、一作業工程だけではどんな業務を行っているか判断もつきにくくなります。
うっかり「A社員は長時間頑張っているから査定を上げよう」というような不当な評価を上司がすれば、B社員は不満がたまる危険があります。

内部統制構築の際に、業務フローを整備すれば、ほとんどの社員が効率よく業務を行えます。個人のミスも防ぐことにつながります。

そしてひとつの作業工程をみれば、上司も誰がどの業務をどんなスピードで終わらせているかも把握しやすくなりますので、正しい評価もしやすくなります。

社員を正しく評価が出来るようになることは、ひいてはモチベーションもアップする、という良い結果ももたらすでしょう。

02.財務状況も見える化で、社会的信用の向上につながる

ルールにのっとり信頼できる財務諸表が出来上がることで、経営状況が正しく把握できるようになります。
内部統制構築によって、経営トップだけではなく、だれしもがその企業の状況が理解できます。
そして「きちんとしている企業だ」、「経営状況が明確に提示しているなら不正の心配もないだろう」と判断されるので、社会的信用も高まります。

03.社内規則の整備でモラルの見直しも期待できる

内部統制の構築には、社内規則の整備も含まれています。
その際、現実に即した社内ルールを作成するということは重要です。

「なんとなく、有給休暇が使いにくい」「就業規則にはないのに必ず朝礼を行っていた」「女性従業員がお茶を出したり、片づけをする」といった、時代遅れなやり方は、社員に不満がたまり不正の温床になりがちです。
本当に必要な社内規則だけを、取得選択すると良いでしょう。

今の現代社会人が求めるルールを制定することで、社員の上下間の風通しも良くなります。

そこで、“いままでは言えずに見逃していたことも社員間で注意できる”“会社にもっと貢献したいと思う”という効果が期待でき、会社内のモラルも向上する可能性があるでしょう。

4.内部統制とITの関連性

あらゆる仕事に、IT技術が必要不可欠です。パソコンなしに出来ない仕事が増えて来てます。
いまや働き方も様々で、取引先や現場に直行直帰・自宅勤務は当たり前ですが、そういった勤務体制の社員を管理するうえでも、IT技術は欠かせません。

内部統制の信頼性を保つには、ITの統制も実施することが必要です。

IT技術を活用することで、効率的でミスを防ぎながら処理することができます。しかしそのITに、なにかしらの問題があれば、内部統制の信頼が保てなくなるので、ITの統制やルール作りも実施しなくてはいけないからです。

ITを活用する際にセキュリティ対策も社内不正の専門家にお任せ

ITを活用する際に、心配なのは不正アクセスなどといったリスクです。
社内不正の専門家である社内不正バスターは、PCログ監視調査によって社内外の不正アクセスを監視することができます。
また、社員に所持させることが増えたスマートフォン・モバイル機器の調査も可能です。セキュリティ対策も、社内不正の専門家にお任せください。

5.内部統制システムが絵に書いた餅にならないために

内部統制構築の目的をいままで記述してきましたが、一番の目的は「不正を防ぐ」というものです。
社内の動きが見通し良くなるということは、さまざまな社員の動きがクリアになることです。
つまりお互いがお互いの動きをに監視できるようになります。
内部統制の構築・運用がうまくいっている企業ほど、不正が起こりにくい環境になるのです。

不正調査のプロの目で、不正を起こさせないための内部統制構築を行いませんか?
企業をより良いものにする内部統制構築を目指しましょう。